子供、子育てについて、これが全て
「預言者」より 子供について (カリール・ジブラン著)
子供について
そこで、子供を胸にかかえた女が言った。
お話ください。子供のことを。
アルムスタファは言った。
あなたの子は、あなたの子ではありません。
自らを保つこと、それが生命の願望。
そこから生まれた息子や娘、それがあなたの子なのです。
あなたを通ってやって来ますが、あなたからではなく、
あなたと一緒にいますが、
それでいてあなたのものではないのです。
子供に愛を注ぐがよい。
でも考えは別です。
子供には子供の考えがあるからです。
あなたの家に子供の体を住まわせるがよい。
でもその魂は別です。
子供の魂は明日の家に住んでいて、
あなたは夢のなかにでも、そこには立ち入れないのです。
子供のようになろうと努めるがよい。
でも、子供をあなたのようにしようとしてはいけません。
なぜなら、生命は後へは戻らず、
昨日と一緒に留まってもいません。
あなたは弓です。
その弓から、子は生きた矢となって放たれて行きます。
射手は無窮の道程にある的を見ながら、
力強くあなたを引きしぼるのです 。
かれの矢が遠く遠くに飛んで行くために。
あの射手に引きしぼられるとは、
何と有難いことではありませんか。
なぜなら、射手が、飛んで行く矢を愛しているなら、
留まっている弓をも愛しているのですから。
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もうずっと長いこと、子供とは、ゼロから1となって現れる不可思議な存在だと思っていました。
けれど、この詩を読んだ時、ああそうか…と心から納得しました。
私を通ってやって来るだけなのかと。
それなら何も不思議などなく、当然のことだなと。
弓も矢も射手も、ただそうであるだけでいいんだね。