ご飯作れない病、全治3か月!
主婦業10年目くらいで、子供が小学生だったころ、3か月ほど全くご飯を作れなくなったことがあります。
それまでは家事について得意も不得意も無く、ただ日々のルーティンワークとしてやっていたと思うんです。
家事の手抜きだって罪悪感もなかったし、外食もこだわりなくするし、全く几帳面でもないので、至って気楽な主婦だったわけですが、
ある日から、ただぽっかりと”できなくなった”んです。
「やりたくないなー」ではなく、やろうとしても全然無理!
とても不思議な現象でした。
初めの日こそ、楽観的に”外食すればいいや”と言う気持ちでしたが、次の日になっても全くできない・・・
朝ご飯は菓子パンやシリアルでしのぎ 、他は外食やお弁当やピザをとったりして過ごすようになりました。
その間も、理由は全く分からないし、改善の兆しも見えません。
1週間もすると、外食やお弁当にもすっかり飽きてしまい、本当にうんざりしてきます。
自分でも”どうしちゃったんだろう、自分?”と思うばかりでした。
家族にも、
「なんでかわからないけど、ご飯が作れないんだよね。」
と、伝えていたので文句も言わず、外食生活に付き合ってくれました。
ひと月を過ぎたころ、別の問題も出てきました。
”食費”が大変なことになっていました!
それでも根拠なく、なんとかなるだろうと思っていました。
この状態がそんなに長く続くわけないよね、という楽観的な展望を持っていたのかもしれません。
い よいよ自分に起っていることに訳が分からなくなったのですが、どうしてそうなっているのかもよくわからず、特に苦しみがあるわけでもないのでそのままでした。
因みに、出来なくなったのは食事を作ることだけで、洗濯や掃除は問題なくできました。
家事の中で食事を作ることをしないと、かなり暇になるので普段できないところを掃除したりして過ごしていました。
それでも結構な時間が余るので、唐突に
”よし、お仕事に出てみよう”と思い立ちました。
食事を作れるようになるのがいつかもわからず、少しでもお金を稼げば食費の足しにもなるだろうし・・・と言うような理由でした。
そうして結婚以来の専業主婦から、パートへと転身しました。
そこで一体何のお仕事に就いたかと言 うと・・・・
”調理補助”でした!!!
え?ご飯作れないのに調理補助?と思うかもしれませんが、”飲食店のホール(一部キッチン)と言う募集だったのでホール仕事が主だと思っていたのですが実際は逆でした。笑
そしてその仕事はあっさりと出来たんです・・・。
ますます意味が解らないけれど、お仕事で調理をして、家ではお惣菜・・・のようなおかしな毎日は続きました。
そうして久しぶりに外に出たことで、少しづつ色々な事に触れていくにつれ、少しづつ”自分の普通”が他人の普通とは同じじゃないと気が付いていくことになります。
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私の母はとっても料理が上手い人で、自宅で冠婚葬祭をする際は、お膳などを作って いましたし、時には親戚宅から依頼を受けて100人分以上の支度をすることもやれてしまう”料理人”でした。
私にとっては家事と言えば、そんな母が基準となっていましたし、特に料理については母を超える日は来ないだろうと思っていました。
なので自分の出来る範囲でやればいいや、と気楽に考えている・・・・・
つもりでした。
でも、パート先で色々な人と触れ合い、お話をしていると驚かれることが結構あったのです。
・毎日の食事の品数
・おやつを手作り
・寝具の洗濯の頻度
・おそうじのやり方
例えばこれだけでも、よその家との常識の違いみたいなものをひしひしと感じることになりました。
自分は全然マメさがないとか、適当な人間だ とか思っていましたが、実は逆じゃないか?と思わざるを得ない内容でした。
子供が赤ちゃんの頃、アトピーが少しあったので、アレルギー専門のお医者様に
生活指導を受けていて、
・最低でも1日3回は着替えをして、他にも汗をかいたらすぐ着替える事
・カーテンもマメに洗濯する事
・シーツ、枕カバーなどは毎日、その他の寝具もマメに洗濯する事
・洗濯洗剤に気を使って、洗剤残りしないようにすすぎを追加する事
・お家を清潔にすること(徹底的。笑)
・食事に気を使うこと
・市販のお菓子を食べないこと
中でも食事やおやつは、素材にこだわり、手作りできるものは全て手作りでした。
こんな感じの事は、我が家の当たり前でした。
と言うか、私が当たり前だと思って 、当たり前にしていたっていうことです。
久しぶりに外に出て、自分にとっての”当たり前の事”は、実は随分と頑張っていたんじゃないのかと知っていきます。
そしてようやく私は、
「よく家事やってたんじゃん、自分。」
と、認めることが出来ました。
それと同時に、
「そりゃあ疲れるよね。」
とも思いました。
これを感じることが出来たとき、ご飯作れない病の発症から約3か月が過ぎようとしていました。
”私は疲れてたのか!!そっかそっか。じゃあ何か月か休憩したってまぁいいじゃん。”
そう思った翌日の朝、私に変化が訪れました。
「もういい加減、自分のお味噌汁飲みたい。」
そう思ったら、自然とキッチンで煮干しの下ごしらえを始めてました。
あの朝のお 味噌汁は本当においしかったし、久しぶりに家族で笑顔の食卓でした。
こうして私の病はあっさりと静かに終わりを告げました。
お母さんなんだから、家事やって当たり前
子供が病気なんだから、完璧にお世話して当たり前
そういう、やって当たり前っていう思い込みで、自分と向き合うことを後に回したら、結局は家族に不便をかけてしまったんです。
誰かを大切にすることって、自分を大切にすることに他ならないのに!
3か月間のご飯作れない病生活は、自分を見つめるいい時間だったし、自分が何かをできなくても何とかなるっていう実験でもあった気がしています。
もしも、彼氏のため、仕事のため、子供のため、夫のため・・・
そんな風に頑張っている人が居 たら、”自分の事”は大切に出来ているのかチラッとでも考えてみてほしい!
案外、自分の事は忘れちゃうんですよね。
自分を大切にすると、周りにいる大切な人が笑顔になるよ!
あっさりとね!